2016年11月
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朝起きてみたら、急に首に激痛が走り右にも左にも向けなくなったことはありませんか?
それは『寝違え』と言われる症状です。
《なぜ 起こる?》
疲れすぎて朝まで夢も見ずに爆睡。なんてことありませんか?人は不自然な姿勢で寝てしまっている時に、寝返りを打つことで不良姿勢を回避しているのですが、日常での疲労が溜まり過ぎたなどの理由で、姿勢を上手く修正することが出来ず、そのまま長時間同じ格好でいた為に首周りの筋肉を傷めてしまったり、背中全体の筋肉が突っ張り、緊張しているせいで首周りの筋や骨を引っ張ってしまい、寝ている時のちょっとした体動で筋肉を傷めてしまう場合があります。
《自分でできる対処法》
痛い部位を軽く触って鋭い痛みを感じたり、熱を持っている感じがする時はアイシングをしましょう。アイスパックやビニールに入れた氷をタオルで包み、患部に当てます。10分くらいごとに外したり、また当てたりを何回か繰り返します。こうすることで患部の炎症がだんだん落ち着いてきて、痛みの感覚が鈍くなってきます。鈍くなるだけで治ってはいませんので無理は禁物です!
頭の重みがダイレクトに首にかかると、それを支える為に首周囲の筋肉が収縮します。寝違えた時は、この支えることがとにかく辛いので、首の周りにタオルを巻いてそのタオルで頭を支える様にしましょう。バスタオルを細長く折りたたみ、首が締まらない程度にキュッと巻き付けます。これで首の負担はグッと減ります。あとは安静にすることです。
《治療法》
症状にもよりますが、初期の治療法としては、患部へ直接触れてマッサージはせず、その周囲の筋肉へアプローチします。これらの筋肉の緊張が強く、余計な力みが入ることで患部の痛みが増大してしまうので、その緊張を取り除くだけでもだいぶ痛みは軽減されます。
首周囲の筋肉だけではなく、背中・肩・腕と繋がっている部位の動きも大いに痛みに関係します。
背中が丸くなってしまっていると、首が自然と下を向くようになってしまうので、正面を向くのに頭を持ち上げなくてはならず、その動作がかなり首に負担となります。炎症反応の回復は自己治癒力によるものですが、姿勢や筋肉のバランスを整えたり、テーピングや固定具で動きを制限することで、早期回復に繋がります。放っておいてもそのうち良くなる・・・なんて思わず、きちんと施術を受けましょう。
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『ぎっくり腰』という言葉は誰しもが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
激しい運動や動きをしたから起こるというものではなく、重いものを持ち上げようとしたとか、身体を少しねじった、何かを拾おうと前かがみになった、歯磨きで口をゆすいで吐き出した時などの日常のちょっとした動作がきっかけとなって起こります。
『ぎっくり腰』は俗称で、専門的には『急性腰痛症』と言います。『急性腰痛症』とは”急激に襲われる腰の痛み”の事で、海外では魔女の一撃 なんて言い方をされたりする程です。腰を曲げる、立ち上がる、中腰になる等腰に少しでも負担のかかる動作が困難になります。
『ぎっくり腰』の中には様々な病態があり、腰の筋肉の損傷や腰椎椎間関節の捻挫など腰椎周辺の一時的な障害や損傷、腰椎椎間板ヘルニアや骨粗鬆症による圧迫骨折や剥離骨折の場合もあります。
多くの人が経験するぎっくり腰というのは、筋・筋膜を損傷しているケースです。筋線維が集まって出来た筋肉を包み込んでいるのを筋膜というのですが、この筋肉もしくは筋膜を、筋収縮が上手く行えないことが原因で損傷してしまうのです。日常生活の中で少しずつ腰に負担がかかったせいで、筋肉が凝り固まっている状態の時に発症しやすいです。
『ぎっくり腰』をしてしまった場合は、まず安静にすることが一番です。そして患部を氷嚢などでアイシングし、炎症を抑えます。動く時には腰に骨盤バンドやさらしを巻いて腹圧を高め、患部への負担を軽減させる、というのが基本です。
ですが、それだけでは身体のバランスが悪いままになってしまいますので専門的な施術を受けることをおススメします。痛みを避けるような動作を続けていると、別の部位まで痛み出してきてしまいます。
「ぎっくり腰はくせになる。」というのは、アンバランスな身体ままでいることで同じ部位を再受傷しやすいからです。
初期の段階でしっかりと治療し、凝り固まらないようメンテナンスを続ければ癖になることはないでしょう。